モモの時間の国 3
頭で考えれば、たしかに風が吹くから、さざ波が起こることがわかります。
しかし、風とさざ波は同時に起こる現象であって、分けて考えることはできません。
さざ波を見て、風があるのを知ることもあります。
それはどちらが先で、どちらが後ともいえないものごとの、その時、その時の不思議なかかわりです。
その連続の中で、私たちはものがあることを知るのです。
時間の持つこの哲学的で宗教的で最近では物理学的でさえある命題を、モモは直観的に把握します。
そして、ホラ老人の腕に抱かれて、モモは時間がイメージ化された美しい世界を垣間見ることができるのです。
それは金色のうすあかりに満ちたところで、大空と同じくらい大きい丸天井の部屋でした。
その一番高いところに、まるい穴があいて、そこから光の柱がまっすぐにおりて、その下の池を照らしています。